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部落問題資料室
NEWS & 主張
山形で狭山集会
労働組合、宗教者、民主団体など

「解放新聞」(2008.09.22-2388)

 【山形】労働組合、宗教者、民主団体などが実行委員会をつくって主催し、9月5日、「人権を考える山形のつどい~狭山事件を通して私たちの社会を考える~」を天童温泉でひらき、145人が参加した。狭山事件の真相を学習し、第3次再審勝利への闘いを誓いあった。連合山形からも、安達忠一・会長が参加し、連帯あいさつをおこなった。部落解放同盟からは西島書記次長らが参加した。
  つどいでは、狭山事件を特集した「ザ・スクープ」を上映したあと、「えん罪・狭山事件の真相」と題してルポライターの鎌田慧さんが、「狭山事件第3次再審請求の現状」と題して狭山事件再審弁護団の中北龍太郎・事務局長が、あいついで講演。石川一雄さん夫妻も「45年、無実を叫びつづけて」と題して支援を訴え、上申書を執筆していることなどを報告。裁判所が事実調べをする重要性を強調、「この3次で勝利できるよう、いっそうのご尽力を心からお願いする」と要請した。

狭山事件とおして
人権を考える山形のつどい
  「人権を考える山形のつどい~狭山事件を通して私たちの社会を考える~」を9月5日、天童市でひらいた。つどいでは、実行委を代表して山形県教職員組合協議会の門脇玄・議長が、「部落差別の問題は県内は、とりたてて大きな問題としてとりあげられてこなかっただけで、悲しくつらい思いをされた方がたがいたことも事実ではないか」とのべ、氷見、志布志の両事件も例に警察の捜査、推定無罪の原則に反する司法の実態を提起。「マスコミ報道のあり方も含め、裁判員制度には、多くの問題がある」と指摘し、「人権、部落差別の問題と同時に、一人ひとりが真剣に考えていただきたい」とよぴかけた。
  連帯あいさつでは、連合山形の安達会長が、元毎日新聞記者(沖縄返還をめぐる日米交渉の密約を報道し不当にも国家公務員法違反で有罪)の国賠訴訟の最高裁棄却決定にふれ、「たいへん危険な世のなかになりつつある」と指摘。「マスコミもコマーシャリズムに翻弄されている。われわれがきちっと時代を凝視して生きていかないとたいへんな時代になる」と語った。
  石川一雄さんは、第3次再審勝利に向けて上申書を執筆していることや、裁判所が事実調べをする重要性をのべ、「この3次で勝利できるよう、ご尽力を心からお願いする」と訴え、早智子さんは、「公平で公正な裁判をするように、ぜひ山形の地から「狭山の風」を起こしていただきたい」と訴えた。
  鎌田さんは、狭山裁判の不公平さを野球にたとえ、弁護団は全部ストライクを投げてきたが、審判は全部ボールにしている、と表現。えん罪に共通する司法のおかしさを具体的に説明しながら、司法の恐ろしさの再認識をよぴかけた。また、部落差別に読み書きを奪われていた石川一雄さんを「脅迫状」の書き手にデッチあげた司法の差別性も指摘し、「日本の司法は戦前からのままきている。どう変えていくかが大きなテーマだ」と訴えた。
  中北弁護人は「日本に巣くっているえん罪の構図が、すべて狭山事件にあらわれている」と指摘し、狭山事件の真相を①部落差別にもとづく見込み捜査②自白の強要③犯行現場の虚偽架空性を裏付ける0供述④犯行現場の虚偽架空性を証明する血痕反応検査結果⑤「秘密の暴露」としての万年筆発見の謎=狭山事件のアキレス腱⑥筆跡の違い―新証拠としての魚住鑑定⑦「目撃証言」のねつ造―誘導・差別意識の産物としてのUK証言の不自然性―新証拠としての原鑑定⑧「声が似ている」という証言は信用できない―新証拠としての厳島鑑定、と8点について解説し、全力で再審をかちとる決意を語った。


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