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部落問題資料室
NEWS & 主張
政府報告書を分析し

「解放新聞」(2008.11.03-2393)

子どもの人権連のシンポジウムで

 子どもの人権連第23回総会(前号既報、9月12日、東京・日本教育会館)でのシンポジウムでは、荒牧重人・山梨学院大学教授と平野裕二・子どもの人権連代表委員が発題した。

「子どもの権利条約」履行求め
  荒牧さんは、「子どもの権利条約の報告制度と日本の子ども」と題して報告し、これまで二度の審査で日本政府への勧告がされてきたが、ますます日本の教育現場は厳しさを増している。政府は条約を真摯に履行しようという姿勢もないが、私たちも機能させるシステムを育ててはいないとのべ、市民は市民レベルの報告制度下で条約の実施状況を検証する事が必要だと提起した。また、「子どもの権利条約」国連採択20年、条約の実施と普及のエポックになる年としたい、との
べた。
  平野さんは、「国連・子どもの権利委員会への日本政府第3回報告分析と今後の課題」と題して報告した。今回の第3回日本政府報告書は、委員会の勧告に誠実に応答しようとしていないと批判。審査の過程で表明された委員会の見解に明確に反論しないか、従来の主張をくりかえすかのいずれかに留まっているとのべ、「権利基盤アプローチ」が顧みられることがないことや、重要なデータを欠落させており、子どもの実態や施策の効果が見えず、不登校やいじめ、自殺や体罰など意図的なデータ隠しをしているとしか思えない、とのべた。
  また、日本政府は、条約の基本的理解ができていないことや自治体のとりくみを生かす姿勢がないこと、市民社会と誠実に対話し協力しようという姿勢がない、と批判した。
  平野さんは、報告書の表現のあたりは柔らかいがなぜこれほどまでに誠実でないのか理解できない、と総評した。
  司会をした、森田明美・代表委員は、「条約が私たちの実践を支えている。現場で条約をひとつの手がかりにして各地の実践をとりくみ、胸はってだせるNGOレポートを作成していこう」とまとめた。


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