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部落問題資料室
NEWS & 主張
2009年・新春
石川一雄さんからのメッセージ

「解放新聞」(2009.01.12-2402)

再審開始実現へ誠心誠意努力し
えん罪晴らせる年に

 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
  全国の支援者の皆様はどの様な計画を立てて新年をお迎えになられたでしょうか。
  私は今年こそ冤罪を晴らせる年にしようという思いを強く強く心に秘めて2009年の第一歩を元気に踏み出しました。ただ返す返すも残念無念は、昨年中の勝利は兎も角、再審実現の目処も立てられなかったことであります。それ故、今年に臨む思いは強い訳ですが、司法当局は警察より逮捕状の要求があれば即座に拘束する機会を与えても、私が求める証拠開示の職権発動は末だしてくれません。しかし門野裁判長は、法と正義、良心に基づいて万人が納得出来る判断を出して下さると信じ、また希っています。
  そうであれば、今までに弁護団より提出された新証拠、新鑑定書等を精査されている筈と思われ、殊の外重要なのは、時計、万年筆、カバンなど、警察が焦って私を犯人にデッチあげるために仕組んだ「証拠の偽造」「事件のストーリーのデッチあげ」「偽証の捏造」の実態を世に明らかにした識別鑑定や識字鑑定等の意義であります。「殺害現場」とされた場所で「悲鳴も聞かなかったし、人影も見ていない」という0さんの証言をはじめ、U証言について三次で深く踏み込んで、識別鑑定をしてもらったことは、無罪獲得に向けて大きく前進したものと思われます。
  元より最高裁では「……脅迫状を届けに来た人がN家の所在を尋ねて立ち寄った人が石川……」というU証言に言及し、「……所論は同証人が暫く経ってはじめて右事実を警察に届け出たのは、不可解であるとのことであるが、事件との関わりを持つことが恐ろしく、届け出を躊躇したのであって、かかる真情が決して不自然でないことは確定判決の説示するとおりである」とし、U証言を擁護しておりますが、果たして「人を殺した」後で顔を見られたら不味い筈の犯人がのこのこN家を聞きに行くであろうか。仕組まれたU証言とはいえ、一応こういうことが存在するからには、これを裁判官に理解して貰う上で、私は徹底的に解明しておく必要があると思った次第です。
  尤もある意味では、私の無実を示す証拠は検察庁に隠されている証拠かもしれません。
  戦後の憲法、法では被疑者には黙秘権があり、無実の人が罪に落としこめられないように「疑わしきは罰せず」と冤罪の恐ろしさを戒めると同時に、被疑者・被告人が本当に罪を犯しているか否か、誰の目にも解り、公正で公平な裁判が受けられるように全証拠を開示する義務が負わされているのが公的機関である検察官の筈ですが、大衆の声にも耳を傾けようとしない検察の態度に対し、憤りは禁じ得ないながらも、この方の取り組みも粘り強く交渉を断行して頂きたいし、私も全力で要請して参る所存です。
  さて、昨年はジュネーブにある国連で無実と証拠開示を訴えることができました。10年前ごろ、パスポートは取れないというように言われておりましたが、今回パスポートを取り、国連・自由権規約委員会に於いて自分の置かれている実情や、日本の司法の実態を訴えると共に、ロビー活動を積極的に行った結果、同委員会から日本政府に対し、公正な裁判を受けられる様に証拠開示の必要性などを勧告され、私の訴えが反映されたとホッと一息したものでした。
  何れにせよ、近年様々な冤罪事件が公に露見した事に因って市民感情として警察、検察、裁判所に対して、不信感がある中で、狭山再審闘争もいよいよ大詰めを迎えた感があり、なんとしても再審実現のためには皆さんの更なるこ理解とご支援を賜らねばなりません。
  私の狭山事件の例を見るまでもなく、裁判所の誤った判断ほど恐ろしいものはなく、其れを糺すためには誠心誠意の努力を傾けることが最も大切であり、当然になすべきものなので、私も裁判所に一切の幻想を抱くことなく、再審開始決定が出るまで、とことん真実を追求して参りますので何卒、皆さんも昨年以上のご協力下さいますよう心からお願い申し上げて、右年頭に当たり、私の決意の一端と致します。

 2009年1月1日
石川一雄


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