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部落問題資料室
NEWS & 主張
狭山事件を考える
飯塚市住民の会
結成総会と学習会

「解放新聞」(2009.08.03-2430)

支援の輪をひろげよう
県内で23番目の結成
【福岡】石川一雄さんを招いて「狭山事件を考える飯塚市住民の会」の結成総会を6月27日飯塚市立岩会館でひらき、50人が参加して住民の会を発足した。県内で23番目、全国で128番目の住民の会となった。
総会では、来賓あいさつをした三角富士夫・福岡県狭山事件を考える住民の会ネットワーク会長は、「もっと市民に狭山事件の支援の輪をひろげていくことが大事だ。司法・警察のあり方を作りかえていく国民の意識を高めていくために役立っていくと期待している」と激励した。
石川一雄さんは、「住民の会の結成は心強い。証拠開示が必要であり、楽観は禁物だが来年退官する門野裁判長のもとでぜひ事実調べを実現させたい」とのべ、再審開始への強い決意をあらわした。
議事では、安永勝利・飯塚市協書記長が経過説明をした。つづいて住民の会の結成趣旨、会則や活動方針が提案された。会場では活発な論議が交わされ、司法の民主化や「えん罪狭山事件を解決するために努力する」こと、「県内各地の住民の会との交流活動の輪をひろげること」などを全体で確認して発足した。
代表に中社正文さん、事務局長に倉掛晴美さん、事務局次長に安永勝利さんが就いた。

世論のうねりをつくろう
学習会に200人が参加
つづいてひらいた「狭山事件を考える学習会」には、200人が参加。集会では、石川一雄さんと三角富士夫・福岡県狭山事件を考える住民の会ネットワーク会長が問題提起し対談した。主催は飯塚市協議会ほか労働組合による実行委。
主催者を代表して、原英之・飯塚市協委員長は、「高校生の時、狭山事件に関心をもった。石川さんの生いたちはおじちゃんやおばちゃんの人生に重なり、自分のことのように思えた。この事件のおかしさを学んでほしい」と参加している解放子ども会の参加者に向かって語りかけた。つづいて、狭山事件を考える飯塚市住民の会の中社正文・代表が来賓あいさつで「石川さんの無実の叫びは46年間もつづいている。私たちは微力だが無力ではない。世論のうねりをつくりだそう」と訴えた。
「狭山事件の現状と司法改革の課題」と題して提起した三角さんは、足利事件と布川事件のえん罪の経緯にふれながら、素人でも明らかなこととして狭山事件の脅迫状を詳しく報告。脅迫状にかかわる多くの疑問をあげ、これだけみてもこの裁判はおかしいとのべ、司法の膿をださない限り、新しい司法は生まれない。そのためには捜査過程の可視化、全証拠の開示、事実調べの保証が必要だ。身近に狭山事件を訴えるためにも、住民の会活動はとても大事だと、よぴかけた。
石川さんは、ジュネーブの人権理事会に参加した経験を語り、「多くの国の代表に訴えたが直接訴えることができずにもどかしい思いをし、いまは、英会話を学んでいる。獄中での漢字を学んだときよりも易しいと感じている。えん罪がはれてからが私の人生の本番だ」と訴えた。


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