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部落問題資料室
NEWS & 主張
余談と偏見の不当判決
大阪高裁 京都市の人格攻撃をうのみに

「解放新聞」(2009.12.14-2448)

 【京都】京都市による不当な懲戒免職処分取り消しを求める裁判で、大阪高裁は11月26日に、京都市の「(懲戒免職処分が)十分な合理性があり…違法であるとはいえない」とした。これは2年間かけ、事実審理をおこなった上で「(京都市の免職処分は)裁量権を逸脱した違法なもの」とした京都地裁判決(2420号に掲載)を逆転するまったく不当なもの。大阪高裁の渡辺安一・裁判長は、事実審理を一度もおこなわず、Ⅰさんへの人格攻撃も含めた京都市側のまったくでたらめな書面のみを根拠にして判決をおこなった。判決後、不当な処分を受けたⅠさん、京都府連、京都市協は記者会見をひらき、判決の不当性を明らかにしながら、上告して闘い抜く決意を表明。Ⅰさんも「復職をめざし闘い抜く」と語った。11月27日に上告した。

復職めざして闘い抜く
  Ⅰさんは、市立保育所の調理員をしていたが、給食の食材を過剰発注していたなどとして07年2月に懲戒免職を受け、事実に反することで処分され不当だと同年に京都地裁で裁判をはじめ、今年5月には処分取り消しの判決が京都地裁で出ていた。
  高裁判決は、1審で明らかになった、Ⅰさんの就任以前から規定量以上の発注がおこなわれ、それは子どもたちがおなかをすかせないためであり、このことについて上司からも、なんらの指示・指導がなかったこと、食材の「持ち帰り」の証明もされていないことが明確であるにもかかわらず、一回の事実調べもおこなわず「関係者が気づかなければ公費による支出がおこなわれていた」「公務員としての規範意識を欠和し、かつ公私を混同するきわめて悪質な行為」「行為後にも反省の態度を示していない」「勤務態度としても良好でなかった」とする、予断と偏見に満ちたものだ。
  府連では、京都市が不祥事バッシングを回避するためのスケープゴートとされたⅠさんの職場復帰を求めるため引き続き支援し、人としての尊厳の回復を求める、とする抗議声明を発表した。


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