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部落問題資料室
NEWS & 主張
東日本大震災
被災地でボランティア活動
支援物資を届ける

「解放新聞」(2011.06.06-2521)

 甚大な被害をもたらした東日本大震災。1か月たった4月16日から部落解放同盟によるボランティア活動を始めた。関東ブロックの都県連(埼玉県連の報告は2516号、2517号に掲載)をはじめ、大阪府連、京都府連、佐賀県連などから74人が参加し、岩手県大船渡市を中心に10日間にわたって、のべ235か所の避難所へ物資を届けた。また、兵庫県連は営城県石巻市で民家の泥かき作業のボランティア活動をおこなった。今号では東京、大阪、京都、兵庫の各都府県連の報告を掲載する。

「被災地に熟と光を」
自分たちにできること
  【大阪支局】「被災地に熱と光を」と府連は、青年部を中心に13人が4月21~25日にかけて被災地・岩手でボランティア活動を展開。救援物資の輸送や避難所への配布活動にとりくんだ。
  21日午後に車4台に救援物資を積み込み、約15時間かけて解放同盟の現地支援本部となった岩手県住田町の曙公民館に到着。
  ここで埼玉県連をはじめ関東ブロックの都県連、京都府連、佐賀県連などと合流し、この公民館を拠点に釜石市、陸前高田市、大槌町の避難所などに物資を輸送する作業をおこなった。
  被災地には、まだまだ混乱のなかにあり、避難所によっては番地がないところや、津波の被害で地図やカーナビとは道路状況が違っており、なかなか場所が特定できないところもあったが、近くまで行って現地の人に聞きながら、何とか避難所に辿り着き、物資を提供した。
  大阪から持ち込んだ物資は、缶詰、レトルト食品、電池、ティッシュなど1万2783点。10団体5支部から寄せられたもので、現地でも大変喜ばれた。
  大阪からの隊は、到着した日は「物資を運ぶので精いっぱい」だったが、2日目、3日目には被災者の人たちとも会話を交わすようになり、被害の様子を実感した。
  また、手つかずのがれさの山を前に、どうすることもできない無力感にも襲われたが、「自分たちにできることを、できるだけ継続して続けていくしかない」との決意をもって行動をやり終えた。

復興するまで支援が
「ありがとう」の言葉に
  【京都支局】府連は、中央本部の要請を受け、岩手県大船渡市、陸前高田市、大槌市、宮城県唐桑町などで被災地支援のボランティア活動を展開した。
  府連の7人は4月19日の午後、長靴1600足、ゴム手袋1300束、肉や魚の缶詰1500缶、漬け物などを満載にした4トントラックと宣伝カーで京都府部落解放センターを出発。翌20日朝に曙公民館に到着。さっそく韓国のJTSから届けられた豆乳100箱、缶詰、長靴、ゴム手袋などを積み込み直し、大槌町にある避難所に届けた。車を走らすと現地で見る光景は、想像を超える光景であり、悲惨としかいいようがなかった。瓦礫の山となり車、太い鉄骨、家も折れ曲がり、すべてを破壊していた。
  その後も、本部から指示を受けた小、中学校などの避難所に物資を運んで23日の午後にボランティア活動を終え、帰路に着いた。
  被災地支援に参加し、多くの人から「ありがとう」の言葉をいただいた。この言葉は、京都で送り出してくれた人や仕事を替わってくれた先輩、激励金を渡してくれた人たち、またボランティア宿舎でご飯をつくり笑顔で毎朝送り出してくれた埼玉県連女性部の皆さん、そして多くの物資を用意してくれた同盟員のみなさん、さらに見えないところで支えてくれたみんなへの「ありがとう」の言葉だと思う。出会った人たちのためにも復興するまでは支援を続けなければならない。

きめ細かな支援に
小さな避難所にも
  【東京支局】中央本部がとりくむ被災者支援ボランティアに都連からも7人が参加。第1隊4人が4月17~20日、第2隊3人が20~23日まで、岩手県住田町の曙公民館を拠点に長靴、軍手、電池不要の手動LEDライト、応急セット、豆乳や缶詰などの支援物資を、集積所(大船渡市立日頃市小学校、立板小学校)に搬入し、大船渡市、陸前高田市などの被災地の避難所へ届けた。
  自衛隊などが物資を供給している大きな避難所だけでなく、民家で炊き出しをしている小さな避難所にも配送をおこなった。
  被災地は、まだ道路上の瓦礫をのけただけの状態で、行方不明者の捜索が続いており、まだ復興とよべる段階ではない。車を走らせても、眼前には瓦礫の山があるだけで、平穏に馴れた私たちの目は驚愕した。
  今後、仕事、教育、生活全般にわたって、復興というか、新たな支援策が必要とされることは間違いなく、きめ細かな、被災地ごとの現実と要望にあわせた支援が望まれる。


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