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部落問題資料室
NEWS & 主張
水平社博物館前の差別街宣に怒り
第2回口頭弁論大きな連帯のカで徹底的に闘おう

「解放新聞」(2012.01.30-2554)

 【奈良】水平社博物館(奈良県御所市)前の路上で「エッタ博物館、非人博物館」「いいかげん出てこい、エッタども、エッタ、非人」などの差別街宣を2011年1月22日にハンドマイクでくり返しおこなった(2509号、2535号、2541号既報)事件で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」副会長をつとめる川東大了にたいする名誉毀損による損害賠償請求訴訟の第2回口頭弁論が12月19日午後2時58分から奈良地裁の101号法廷でひらかれ、70人の傍聴席を埋めつくした。
  口頭弁論では、12月16日付で提出された川東大了の水平社博物館からの「訴状」にたいする準備書面への反論を2月3日までにすること。それにたいする川東の主張を2月29日までにすること。第3回口頭弁論は3月5日午後2時から同じ101号法廷でもつことを確認決定した。
  これは前回の第1回口頭弁論で川東が訴状への反論としてなにを争うのかが明らかにされず、提出期限の12月5日を過ぎた12月16日付で書面が提出されたためで、提訴した原告からは、争点に必要な部分にのみ反論することを表明した。
川口委員長が決意を表明
  被告の川東は、「弁護人をあちこち探しているんですけど、みんなひきうけてくれない、本人訴訟になると思います」と、差別街宣を弁護する代理人がまったくいないことを印象づけた。さらに、水平社博物館からの訴状を「インターネットに載せていいですか」と挑発。原告側代理人から「OKとかいうものではなく、自己責任で、自分で考えよ」と注意される始末だった。
  第2回口頭弁論後の報告総括集会には100人が参加。川口正志・奈良県連委員長(水平社博物館理事長)が、部落解放運動の50年は私の人生と同じ。裁判にかかわる糾弾闘争の経験ももっているが、基本的な憤りは変わらない、と差別にたいする怒りと闘いへの熱い想いを語り、大きな連帯の力で包囲しようとよびかけた。
  差別街宣を許さない奈良の会代表や、原告代理人の弁護士から経過報告と、差別街宣と川東の準備書面にたいする心からの怒りと、徹底的に闘う決意を表明した。

憎悪犯罪の規制を
1.22差別街宣を許さない
奈良決起集会

  第2回口頭弁論に先だつ11年12月12日夜、「1.22差別街宣を許さない奈良決起集会」を奈良県解放センターでひらき、各界の代表など110人が参加。講演「ヘイトクライム(増悪犯罪)に対する規制-京都朝鮮第一初級学校を巡る裁判を振り返って」を金尚均・龍谷大学法科大学院教授がおこない、朝鮮学校生や朝鮮学校にたいする「嫌がらせ行為」が犯罪であることが日本の裁判所で示され、正当な政治的表現の限度を逸脱していたことの評価がおこなわれたこと。差別を禁止する法体系の整備の必要性などを学んだ。
  主催は奈良県連と「差別街宣を許さない奈良の会」で、川口正志・県連委員長が、「あらゆる弱者がよかったと思える自由と平等の世の中をつくるため、この糾弾をとおして世の中を変えよう」とよぴかけた。
  辻本正教・県連書記長が基調を提案し、反差別・人権確立の立場から今回の差別街宣のような行為を根底から打ち破る必要があることを強調。マイノリティへの差別を禁止する法体系の是か非かが、いま、われわれにつきつけられており、スクラムを組んで闘おう、と訴えた。


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