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部落問題資料室
NEWS & 主張
差別戒名を深く反省
總持寺が追善法要で

「解放新聞」(2012.07.02-2575)

人権尊重社会めざす
  曹洞宗の大本山總持寺(横浜市)は6月18日、江川辰三・貫首を大導師に「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」を大祖堂でとりおこなった。差別戒名の歴史的事実を深く反省・懺悔し、部落差別をはじめ、あらゆる差別撤廃と人権尊重社会の実現に精進する決意を新たにした。
  大本山總持寺主催の同法要は84年いらい29回目。
  部落解放同盟からは、組坂委員長、片岡中執をはじめ、8都県連から30人が参列し、焼香。片岡中執は、法要後に三松闇大講堂で、「プライム事件の経過と課題」について講演した。
  法要後、江川貫首は「ご開山、蛍山禅師様は、あらゆる人びとの救済をご自身の生涯の信心、根本理念とされていた。いわば、どのような状況下でも、差別のない社会の実現のためにみずからを捧げた。このご開山の精神にのっとり、部落差別をはじめとするあらゆる差別の撤廃、そして人権が尊重される社会の実現へ日び精進してまいりたい」と決意を語った。
    
開山の精神にのっとり推進
  講演会では、總持寺の乙川暎元・監院と、曹洞宗の佐々木孝一・宗務総長があいさつ。乙川監院は「当本山の集中人権学習をはじめて約30年。一つひとつの学習の積み重ねこそが宗門全体の人権意識向上の原動力となることを祈っている。差別のない安心して暮らせる社会づくりへ、ご開山の精神にのっとり、よりいっそう充実した人権学習と啓発活動を自己に課し、推しすすめたい。水平社宣言から90年。この宣言をいま一度自身に課し、実現へ活動したい」と決意を語った。
  佐々木宗務総長は、曹洞宗主催の「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」の今年の開催予定(9月11日、愛知県東海市)も紹介し、差別戒名墓石・過去帳の改正状況を「墓石改正は91.7%。過去帳改正は94.9%。ただいま2か寺の墓石改正に着工し、さらに2か寺と改正協議に入っている」と報告。「差別戒名の改正も「直したら終わり」でなく、そこから差別解消のとりくみや啓発につなげることこそが重要。その環境づくりも、あわせてすすめねばならない」「私たちの人権問題へのとりくみは、人間を幸福へと導く宗教活動ととらえ、行動せねばならない」など語った。

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