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見解

 

溝手顕正自民党参議院会長の差別発言に対する抗議声明

 8月7日、自民党の溝手顕正参議院会長が党本部での新人参議院議員向けの会合でのあいさつで「安倍晋三首相のように大変勢いのよい首相の下だと、ばかでも、チョンでも(当選する)というような要素があることは、否定できない」と発言した。われわれは、この差別発言に対して断固抗議し、溝手参議院会長は、この差別発言の責任をとってしかるべき責任を取ることを強く求めるものである。
 溝手参議院会長は直後にこの発言を撤回し、その後、記者団に対して「非常に問題ある発言と受け取られても仕方がないので(会合の中で)すぐ撤回した」と報道されているが、十分な釈明もせず、この発言の何が問題なのか一切説明していない。
  「チョン」という言葉は韓国・朝鮮人の人たちに対して、日本人が朝鮮半島を植民地化してきた前後から使用されてきた差別表現である。
  昨今、東京の新大久保や大阪の鶴橋など、在日韓国・朝鮮人が多く在住する地域で、上記差別表現も含め、「朝鮮人を皆殺しにせよ」と叫んでデモをおこなうヘイトスピーチが社会問題化している。こうした悪質な差別デモ、ヘイトスピーチに対して、本年5月に安倍晋三首相が「極めて残念なことである」と国会で答弁し、谷垣禎一法務大臣も「不安や嫌悪感を与えるというだけでなく、差別意識を生じさせることにつながりかねない。甚だ残念だ。差別のない社会の実現に向け、一層積極的に取り組んでいきたい」と記者会見で見解を明らかにしている。
  あわせて麻生太郎副総理兼財務相が、7月29日のシンポジウムでのナチス賛美発言に国内外からの強い批判を受けて、一切の謝罪のないままに暴言を撤回した直後の今回の差別発言である。政府や与党の要職にある国会議員の差別発言、暴言が繰り返されており、まさに日本の政治における人権意識の低さを如実にあらわしている。
 安倍首相の国権主義、民族排外主義の言動によって、東アジアの国・地域との緊張が高まるなかで、溝手参議院会長は、今回の差別発言の撤回だけではなく、発言の内容の問題点や自身の認識について深く掘り下げた説明と謝罪、最大限の責任ある決断を強く求めるものである。
 あわせて溝手参議院会長の差別発言に対する政府・与党の責任を明確にするように強く求めるものである。

2013年8月9日

部落解放同盟中央本部
執行委員長 組坂 繁之

 

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