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沖縄への米軍基地の押しつけをやめさせよう

「解放新聞」(2013.06.17-2623)

 安倍政権は、4月28日を「主権回復の日」として記念式典をひらいた。沖縄県民をはじめとした多くの反対の声をおし切ってのことだった。1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効され、「日本の主権が回復した」とする安倍首相の頭からは、沖縄や奄美群島などが切り離され米軍統治とされたことは、完全に抜け落ちている。これは「基地の中に沖縄がある」といわれるように、いまなお在日米軍基地の8割ちかくを押しつけられ、苦しめられている沖縄県民の思いを無視する暴挙である。
  講和条約の翌年に奄美群島は復帰したが、沖縄復帰までには20年もかかった。その間に、日本国内にある米軍基地は、沖縄以外は整理縮小されたが、沖縄は強化された。そして1972年5月15日に沖縄は復帰したが、米軍基地は居座り続け、基地機能はさらに強化されてきた。

 そして今度は昨年10月、多くの反対を無視し、沖縄に垂直離着陸輸送機オスプレイが強行配備された。昨年9月に10万人をこえる人びとが参加してひらかれた「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」から1か月もたたないうちの強行だった。
  今年1月28日、沖縄の全41市町村長がそろって上京し、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名の「建白書」を安倍首相に提出した。建白書の要求内容は、オスプレイの配備を直ちに撒回し、追加配備も中止することであり、米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念することである。
  市街地のなかにある世界一危険な基地といわれる普天間基地に、開発段階から事故をくり返し、多数の死者をだしている危険なオスプレイを配備することは、人権無視もはなはだしい。現に米本国やハワイでは、騒音にたいする住民への考慮などにより訓練が中止されているという。そのオスプレイを市街地にもってくることは、沖縄県民にたいする「差別」以外のなにものでもない。

 沖縄では、配備された10月から2か月間の県・市町村による監視によって、300件超の安全確保違反が目視され、わがもの顔に飛び回るオスプレイは県民に大きな不安を与え続けている。「安全確保」に関する日米合意は見せかけのもので、米軍は守るつもりがないようだ。また、日本政府も米国に「安全確保」を本気で守らせようとしているとは思えない。
  全国的にも、山口県岩国基地を拠点に低空飛行訓練がはじまっている。沖縄だけではなく、全国各地の住民が危険にさらされている。
  安倍内閣は3月、「建白書」と沖縄県民の総意をふみにじり、辺野古への新基地建設に関する埋め立て申請書を沖縄県に提出した。普天間基地の移設をめぐる動きも重要な段階をむかえている。県内移設を許してはならない。
  「命どぅ宝」の精神で基地撤去と平和・人権を求める沖縄県民の闘いと連帯し、オスプレイ配備の撤回と基地撤去の闘いをすすめていこう。


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