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部落問題資料室
NEWS & 主張

長野水平社発祥の地、小諸市で
3講演と2人の報告で研究集会

「解放新聞」(2014.02.17-2655)
  【長野】今年は長野県水平社創立90周年。その発祥の地、小諸市で1月24日、第51回長野県部落解放研究集会をひらいた。小諸市文化会館に700人が集まり、身元調査事件や人権のまちづくりをめぐる講演のほか、「島崎藤村『破戒』と部落問題」をテーマに小諸市教育長の講演や、県内の部落に生きる2人の被差別体験の報告で学習した。
主催は、同集会実行委員会(実行委員長・伊藤喜平=部落解放・人権政策確立要求県実行委会長、下條村長)。
伊藤実行委員長は、長野県水平社結成いらいの90年の闘いに学び、民主党政権末期に閣議決定された「人権委員会設置法」制定の闘いなど人権政策確立をしっかりと活動の中心に、と提起。「人が人を差別する。これで先進国といえるのか、という原点に返り、大いに胸をはり、きっちりとした信念のもとに闘おう。大いにお力ぞえを」とよびかけた。

被差別体験の報告と講演
「部落を生きる」と題した報告では2人が登壇した。1人は、部落の青年と結婚して25年たつ女性で、両親の反対にあいながらも結婚した状況や、解放子ども会、部落への思いを。もう1人は、同じ部落の21歳の女性。8年前のこの日、中学校で部落差別にあい、クラスにも部活にもいけなくなり、そのまま卒業したこと、差別にたいする思い、解放子ども会の子どもたちに伝えたいこと、これからの決意などを語った。
講演は3本。部落解放・人権研究所の友永健三・名誉理事は、「部落地名総鑑」差別事件いらいの身元調査事件、土地差別調査事件の概要、課題などを。小諸市の柳沢惠二・教育長は、部落問題をあつかった小説『破戒』誕生の背景、作者の島崎藤村をめぐる人間関係―水平社以前の長野の被差別部落のようすなどを。全国隣保館連絡協議会の中尾由喜雄・常任顧問は、阪神・淡路大震災で避難所となった兵庫県芦屋市鳳の隣保館での体験を中心に人が出会い、ふれあい、つながる人権のまちのあり方などを、提起した。
来賓からは、長野県知事(代理)、長野県議会議長(代理)、栁田剛彦・小諸市長があいさつした。


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