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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第1993号/00.11.06
 中国は巨大なコングロマリットの国だった。超金持ちがいるかと思えば、超貧乏人がいる。西洋的かと思うと東洋的な所もある。社会主義的かと思うと資本主義そのもの、というところがある。あらゆる両極端が複合的に存在するように思われた/都市部は整備され、巨大なビルが林立する。日本のへたな地方都市などぶっ飛ぶほどのすごさだ。ところが、農村部は奥地に行くほど、生活の苦しさが目に見えてわかる/訪中団では自由時間が少なかったが、北京では庶民が押しかける百貨店に行った。少子化政策を反映して、子ども用品が実にワンフロア―を占めている。そこで目立つのは、日米を中心にしたキャラクターグッズ。ドラえもんからディズニーまですべてがそろっている。これが、グローバリゼーションの実態だ、と感じた/中国は今年中に世界貿易機構(WTO)に加入するという。先進国の仲間入りだ。しかし、先に一部の人が裕福になるのはいいことだ、後でみんなが裕福になればいい、という考えですすめ、現実にある極端な貧富の差はどうするのか/私たちが訪れた省の共産党の幹部は、その矛盾を気にしていた。何とかしなくては、という問題意識を強烈にもっていたのが印象的だった/中国革命の原点はいったい何であったのか。いまの中国を見ながら、旅行者の私は考えた。しかし、実は、これは、現代日本というなかで、部落解放運動の原点は何であったのか、また、あり続けるのか、ということを考え、再構築していくこととおなじ質をもった課題なのだ。

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