6月末、中尾元建設大臣が逮捕された。省発注の事業で入札に便宜をと現金をうけとっていた疑いだ。この業者は、自民党の超大物代議士にも、もっと多額の金を渡していたことを明らかにしている／同じく６月末、百貨店「そごう」の債権を国が買い戻し、それも破棄することを金融再生委と預金保険機構が決めた。同社だけで１万人近い社員がおり、関連企業も含めると、５～ ６倍の人びとが失業する可能性があった、というのが救済の理由のようだが、ではこれまで貸し渋りも含めて倒産した数多くの民間企業はどうなるのか。まったく納得のいかない債権放棄=借金チャラ路線だ／この２つの事件が、そろいもそろって６月末に発表とは、あまりにもタイミングがよすぎはしないか。選挙中なら与党が大打撃を受けたであろうことは良そうに難くない。そんな影響をとりのぞうこうとの努力のあとがうかがえる／中尾元建設相の問題は、この特別国会で野党が追及しようとしているが、あいかわらず自民筋は臭いものにはフタで、機構的な汚職問題について徹底解明をしようとしない。逮捕されたのは運が悪かっただけ、とでもいうように／第２次森内閣を発足し、サミット乗り切りへ権力者の描く絵だが、そんなドロ沼を許してはならないだろう／雪印乳業が大量の食中毒を出したが、原因は製造ラインの問題。バルブの汚れが全体にいきわたっていたのに、週一回の洗浄すらできぬ効率主義が問題の根底にあった／同じことがいまの日本の政治にあてはまる。