だましたあなたが悪いのか、それともだまされた私が悪いのか。思わずこういいたくなる。東海地方を集中豪雨が襲っていたにもかかわらず、9月11日、JR東海は新幹線を出発させつづけた。とにかく乗ってください、(目的地までいくのは)大丈夫でしょうと/2日間にわたる集中豪雨は、東海地方に大きな被害をもたらした。愛知の部落も水害を受けた。心からお見舞い申しあげたい/私自身も第2室戸台風のときに床上浸水にあった。水は一瞬の間にくる。来たな、と思ったら、あっという間に水位が上がる。逃げる間などない。そのときは、必死で2階に上がって逃げた。水が階段の途中で止まったときは、ほっとした。死なずにすんだと。だから、水害の恐ろしさはわかる/11日夕方、集中豪雨は短時間で終わるとの経験則から、JR東海は実に74本の新幹線を発車させたあげく途中で止めた。新大阪から乗車した私は、結局、米原駅の手前の線路の上で夜を明かした。どこでも寝付けるので、12時頃に寝、目が覚めたら朝の6時だった/顔を洗いにいくと水はでない。したがってトイレもアウト。売店には何も残っていない。車掌は「みなさんも体力の限界、とにかく駅に着けてくれと要請しているが」と放送するが、前日からの集中豪雨の詳細な情報、いまどのような復旧作業をしているかの情報はなし/東京駅に着いたのは、乗車してから23時間後。本は2冊読めたが、くたびれた。こんな経験はもういらないと、危機管理のあり方を考えさせられた。
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