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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2079号/02.07.29

戦争と平和
アニメージュ叢書

富野由悠季 著 徳間書店(定価1600円)

書籍画像 日常のなかで、静かに戦時下がすすんでいる。いまいち世論が反戦に向かわないのは、戦争というものの実感がわかないからだろうか。
 「発端」となった9・11の映像は、何度も画面のなかで再生され、そのうち「見慣れた風景」に変わった。しかし、実はそれは、最初から見慣れたものであった。多くの人が、ハリウッド映画のようだといったそれだ。そのことが、戦争を身近に感じられない要因なのではないか。いま、私たちの喜怒哀楽のそばにバーチャルなものが増え、現実との境界線が薄れている。ごく最近もおもちゃ屋で「どこに置くねん」といいたくなるような、大きなガンプラ(ガンダムのプラモデル)が二万くらいの値で売っている
のをみた。
 いま、このときに、戦争の道具を家に飾る。手元に置いておく。そのことの意味を考えるとき、本書の、『機動戦士ガンダム』を創りだした富野由悠季へのインタビューは興味深い。
 バーチャルのむこうの現実をみるということについて、少し考えた。(亀)

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