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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2086号/02.09.16

小泉改革と監視社会

斎藤貴男 著 岩波書店 (定価480円)

書籍画像 私の手元に八月九日付の市長名の一通の預り書がある。そこには、「住基ネット」反対の意志表示を尊重し、「住民票コード通知書」を預からせていただきます、と書かれている。
 国会で継続審議になっている「個人情報保護法」が同時に施行されていないから反対なのではない。行政機関対象の保護法など、「相当な理由」があるとさえ判断すれば、目的外利用もできるもので、「住基ネット積極拡大活用推進保護法」のようなもの。民間対象の保護法も同様に、自己情報のコントロール権もセンシティブ情報の収集制限もなく、個人情報をいかに有効に活用させ、かつ政府が事業者を規制しようというものだからだ。
 本書は『解放新聞』二〇八二~二〇八四号に連載した「住基ネットの問題点・斎藤貴男さんに聞く」の斎藤さんが執筆したもの。
 経済のグローバリズムや構造改革が階層間格差の拡大と差別の固定化を促進し、監視社会を生みだし、戦争準備をすすめさせることを、W杯などを例にとりあげ、わかりやすく書かれている。(E)

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