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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2095号/02.11.18

部落のアイデンティティ
18人の若者たちが語る

太田順一 著 解放出版社(定価3800円)

書籍画像 「被差別部落の青年がどういうアイデンティティをもち、部落で生まれ育った自己をどう捉えているのか、そしてそれはどのように形成されてきたものか」という疑問に、インタビューを用いて書かれたのが本書。
 このテーマに、以前からものすごく興味があった。それは、「自分にとって部落とは何なのか」という自己認識について絶えず葛藤してきたからであり、またそれを語り合うことができる多くの仲間がいたからである。
 本書のなかでアイデンティティとは、「自分が何者か、どこに行こうとしているのか、という自我の感覚」で、「自分がどういう集団に属しているかという自己認識、自分にどういう価値があるのかという存在証明」としている。そして、本人が、部落民であると想定しているアイデンティティの比重によってタイプを分け、部落の若者のアイデンティティは多様化している、と語る。
 ただ、インタビューの対象が大阪府内の青年だけで、全国の部落の若者を相対化していないのが残念。   (謙)

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