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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2064号/02.04.08
 全水創立八〇周年記念集会で上映されたビデオ『水平』の評判がいい。しかし、八十年の歴史を四十五分に収めるため、重要な問題でありながらカットせざるを得ない部分があった
▼水平社結成後、ただちにとりくまれたのが黒衣同盟の闘いだったがカットされた。黒衣同盟は部落の真宗僧侶の組織。募財の多少で座席や色衣が決められ、本願寺への寄付しだいで極楽往生ができるという布教が、貧困な部落をより貧困にしており、募財拒否の方針を出した水平社の実賎の先頭に立った
▼部落からの多額な募財が、部落外の門徒にたいして、「部落でもこれだけの募財をしているのに」と使われたことは事実
▼ハンセン病元患者による「平成大修復」での「瓦懇志」を『本願寺新報』は一面で大きく取りあげている。記事にあるのは、ハンセン病の元患者から多額の寄付がきたこと、どういう縁で門徒となったのかなど。本願寺派がハンセン病への偏見と差別を助長してきたことの反省は記事の最後に少しあるだけ
▼この記事は、かつて部落の門徒による募財を利用したときと同じ構造をもっていないか。被差別者でも信心深く、これだけの募財をしている、あなた方はもっと寄付をしなさい、と
▼この記事が、こうした役割しかはたさないことがわからないようなら、真宗には法理がなく、差別と排外を利用しつづける歴史をくり返している、といわれてもしょうがないだろう。

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