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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2070号/02.05.27
 心地よい音楽、映像と部落解放-人間解放を訴えるアナウンス。同時にレーザー光線が交差し、広い空間全体にも映像が創りあげられる。まるで幻想の空間に放り込まれたようだ
▼これは、奈良市内でおこなわれた奈良県連主催の「水平社創立八〇周年記念」のイベントの一つ。このあと、ゲ
ストを迎えてトークバトルがおこなわれた。詳しいことは後日掲載の記事に譲るが、プロレスラーだった前田日明(現在はリングスという団体の代表)元選手の発言が印象に残った
▼彼はみずからが在日韓国人三世であることを明らかにしたうえで、こう語った。小さい時に韓国人としての誇るベき血ががあるといわれたが、そのようなものはないと思う。みずからが努力を重ね、誇るべきものを作り出すこと、みずからを卑下することではなくプライドをもつことが重要ではないか、と
▼たしかにそうだ。みずからの人生に熱をもつとき、一人ひとりの人生は意味をもち、光り輝くのだ。そのことを求めた水平社創立大会の「宣言」に重なる考え方ではないか
▼トークバトルではっきりしたのは「同和」対策事業へのさまざまな誤解である。こうしたことも含め、率直に話し合える場の設定こそが必要だろう
▼「両側から越える」ことを掲げ、自立と自律、想像力と創造力の重要性を語るなかで企画された今回のイベントは、他の都府県連にとっても大きな刺激になるはずだ。

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