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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2073号/02.06.17
 空港の税関を出るやいなや、カネとドラが打ちならされる。そして、フレー、フレー中国というようなかけ声が、あたりいったいに聞こえるようにがなりたてられ、しかも狭い空港のロビーで三十分以上も、えんえんとつづけられる。しかし、その横手では自動小銃を背おい、警察犬をつれた二人連れの軍人が警備をつづけている
▼これは、韓国の仁川空港で見た光景。日本は初めてワールドカップで勝利したと浮かれているが、同じようにアジアでも人びとをサッカーが熱くさせていることが実感できた
▼韓国は、暑くもなく寒くもなく、湿度も高くなく、本当にいい季節だ。日本語のボランティアの制度も行き届き、ハングルを覚えることなく旅行できる
▼しかし夜の屋台では、日本人を見て、突然、いかりだす高齢者がいた。もっともなことだと、逆に納得できた。先の大戦、その前に、あるいはこの間、日本は、日本人は、韓国に何をしてきたのか。歴史の事実が、高齢者を怒りに燃えさせたに違いない。正確な言葉は理解できなかったが、感情は理解できた
▼韓国では昨年末、人権委員会の設置法で、よりいい人権制度の確立を求めて、零下十五度のなかで座り込み闘争をつづけた人と会うことができた。人権から何が見えるのか、節を曲げずに闘いを重ねてきた闘士は、とにかく最初の時点でしっかりした骨格を創ることだ、と静かに語った。その言葉に納得できた。

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