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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2076号/02.07.08
 朝鮮民主主義人民共和国の首都、ピョンヤンは美しい街だった。あふれる緑と水。車、自転車も少なく、人びとは徒歩で移動するのが中心。ゆったりとした感覚で時間が流れていく
▼食糧危機はピークをこえたものの、まだまだ深刻な状況にあることは事実だ。農村部では、軍隊が援農もおこなっていた。食料は配給制で、ホテルに泊まった私たちの食事も質素ななかに工夫をこらしたものだった
▼板門店の軍事境界線は、同じ朝鮮半島のなかにありながら民族が分断されるという悲劇を象徴する所だった。アメリカが作った、コンクリートの障壁は、民族ばかりでなく、動物が移動することさえ阻むものだ
▼W杯でわきかえるなか、韓国では六月九日に米軍の高圧線で男性が感電死した。その四日後には女子中学生二人が米軍車両に轢かれ死亡した。いずれも三十八度線近くに密集する米軍基地の同じ部隊によってだ
▼女子中学生の轢死事件では、米軍の広報部長が「米軍に過失はない」とラジオで表明し、「はじめから終わりまで嘘で一貫する米軍側に憤怒を禁じることができない」とこの事件の全国対策委員長は語っている
▼韓国と共和国の海軍が、二十九日、銃撃戦をおこない双方に多数の死傷者をだした。争点の「北方限界線」自体、停戦協定で合意されたものでなく、駐韓米軍司令官が一方的に設置したものなのだ
▼分断と駐韓米軍こそが根底にある問題なのだ。

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