pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2093号/02.11.04
 十月末の日曜日から、本格的な冬の気候に入った。もちろん、まだ早すぎる季節の到来だが。葬儀に参列していたが、家族の悲しみが寒さのためか、より増幅して感じられた
▼大阪のY紙によると野宿者の路上死が二〇〇〇年に二百十三人にものぼることが明らかになった。うち餓死者が十八人、凍死が十九人もあった
▼死亡場所は路上九十人、公園四十五人、河川敷十七人、水中七人など。死因は病死が百六十七人で五五パーセントを占める。肺炎、結核が多い。普通なら肺炎で死なない年齢層、結核も治療すれば治るのに、と医師はいう。ついで肝疾患が目立つ。自殺が五十二人にのぼる
▼Y紙があげているのが、通院医療が受けにくいこと、野宿者自身の生きる意欲、孤立の問題。ということは、ホームレスの人びとへの医療体制の確立、生活保護の充実などが、悲惨な路上死を防ぐ手だてだ、ということだ
▼ホームレス問題を特集した今月号の『部落解放』誌によると、年齢層、ホームレスになった原因、暮らし方などで、最近は大きな変化がある、という。もちろん不況の影響が大きい
▼さまざまな問題の背景にある課題を明らかにすることが重要、というのは何事を考えるときにも原則
▼モスクワの劇場占拠の背景には一億七千万の人口をもつ国が七十万の人口しかない民に軍隊を派遣し、十人に一人を殺すという問題があることを理解する必要があるのではないか。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)