自動車、酒類の広告は、不況下に入ってもあいかわらず流されつづけている。消費者金融、健康食品・機具が、この間、とくに新開や雑誌などで目立つ広告だ。とくに抗ガン剤などの広告が商業紙の一面を飾っているのにはピックリする。これもガンの死亡率が上がってきていることの反映だろう
▼一時期、体は資本だ、という広告がはやったことがある。たしかに庶民、というか資本家でない人びとの感覚としては、これは正しい。しかし、経済学的に厳密にいえば、これは誤っている
▼経済学でいう資本とは商品-貨幣から発展した概念で世界性をもつものだ。げんに、いまも、世界中を資本がかけめぐっている。私たちの運動や闘争の一国的限界を、はるか以前にのりこえている
▼グローバリゼーションのもとで、アメリカを中心とした金融資本は、各国の経済をつうじて、社会、共同体をはじめ、これまでのあらゆる関係を崩壊させている。身近な例が、グローバルスタンダードの名による日本の銀行の再編成であり、貸しはがしやリストラ、自死を強要している。そして「日本的あり方」の崩壊である
▼社会がつぶれようが、どうでもいい。資本にとっては増植さえすればいいというのが本音なのだ
▼デフレスパイラルが本格化し、賃下げにおよぶご時世のなかで、庶民にとっては、体は、いたわり、大切にすべし、というのが、かの広告の教える所かもしれない。
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