人はなぜ「権利」を学ぶのか
フィリピンの人権教育
阿久澤麻理子 編 解放出版社(定価1200円)
毎年思うことだが、今年はたくさんのことを学びたいと思っている。そこで本書を手に取った。
フィリピンは、マルコスの独裁政治からアキノ大統領、現在のアロヨ大統領になり、大きく変わった。本書はそこから現在までの人権運動を紹介している。
アジアの人権教育と聞いても、今ひとつピンとこない。日本では、アジアの情報が少ないのだ。報道一つとっても、学ぶ環境の貧しさばかりがとりあげられている。多くの人びとにとって、アジアは学ぶ対象ではないかのようだ。
それを本書が覆してくれた。日本では低い国際人権基準への関心が、フィリピンではとても高いという。「国内の法や制度で守りきれない人権侵害のケースを国際社会に訴え、国際的な連帯と支援で解決してきた歴史がある」からだそうだ。
近年、狭山闘争や部落差別について、私たちは世界に訴え、連帯をすすめている。国際連帯からえたものを活かした人権教育を普遍的なものとしていくための光が見える一冊。 (亀)
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