白書　スクール・セクシャルハラスメント
（実態・防止・解決）

子ども性虐待防止市民ネットワーク・大阪　編　　明石書店（定価1500円）

　「スクール・セクシャルル・ハラスメント（以下SSH）」とは、学校内で先生から児童、生徒にたいしておこなわれるセクシャル・ハラスメント（相手の意に反する性的言動）のこと。
　本著は「子ども性虐待防止市民ネットワーク・大阪」がとりくんできた活動のなかで、SSHの実態をとりあげ分析、課題を明らかにし、状況改善や問題解決の方向性を提示している。
　SSHが起きる場合、大人から子どもへという大きな力関係のほかに、職業上の権限の乱用というものがはたらく。自覚のない大人の無自覚で無責任な行為が、子どもにふりかかるという、許しがたい行為である。第一部「実態を知ろう」を読んで、怒りというか呆れたというか、つくづく学校というのは特殊な空間だなあと感じた。『高校教師』がまたリメイクして放映されているが、「事実は小説よりも奇なり」とはこのことか（それで片づけたらいけないが）。
　解決へ向けまずは実態を知るということが、近道にほかならない。　　　　　　（謙）