実例・差別主義
堀田 貢得 著 大村書店(定価2000円)
「表現の自由」という権利が他者の人権を侵害し、傷つけるものであってはならない。そんな当たり前のことが、「言葉狩り」という名のもとに、放置されている。
インターネットの普及で、匿名性を悪用した差別扇動も多い。「差別語」だけでなく、悪意をもった比喩など、文脈による差別表現もある。しかし学校教育では、なにが差別表現か、なぜ差別表現になるのかを教わることはない。そう思い、本書を手に取った。
本書には、部落、障害者、民族、性、宗教などへの差別表現を例に、当事者にとってどういう意味をもつのかが書かれている。しかし、本書はただ差別表現を羅列しただけのものであり、本当に差別の現実を知ることにはならない。また、「謝罪したが糾弾会に発展した」など、謝罪の不十分さにふれず糾弾会にのみ言及している部分もあり、鵜呑みにはできない。
ただ、自分が受ける差別には敏感であっても、ほかの問題には疎い場合もあることは事実であり、そのことに気づく一助にはなるだろう。(亀)
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