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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2150号/03.12.22

天皇家の財布

森 暢平 著  新潮新書(定価680円)

書籍画像 タブーといわれる天皇問題。差別と抑圧の元凶である天皇制の「存続」に一体どれくらい私たちの税金が使われているのか。本書は元宮内庁担当記者の筆者が、情報公開法施行(01年4月)を機に行政文書の開示を駆使し、皇居の電気・水道代から宮中晩餐会の費用まで皇室経済を検証し、面白く論じたもの。
 ちなみに03年度の皇室関連予算は、皇室費(宮廷費、内廷費、皇族費)、宮内庁費、皇宮警察本部予算の内訳で合計272億105万円(人口4.5万人の滋賀県八日市市予算と同じ)。ただし国体や植樹祭など天皇・皇族の地方移動は、別に各自治体が莫大な金(これも税金)を負担し、皇室警備の名のもとで人権侵害をくりかえしている。なお宮内庁が経営する御料牧場や病院は各6億円、4億円の赤字(00年度)。
 生活保護費など福祉切り捨てがすすむなか、「天皇家の財布」は年ねん増額。筆者は「存続」が前提だが、国民主権の時代に果たしていつまで「浄・貴」が必要なのだろうか。   (M・T)

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