魔界倶楽部というのをご存じか。あるプロレス団体で活躍する本格的格闘集団がそれ。そのトップ、総裁を名乗るのが星野勘太郎だ。元プロレスラーで神戸出身の在日コリアンだ
▼子どものときから無類のケンカ好き。プロボクサーになったが、力道山を頼りプロレスラーに転向した。太くバンパンに張った太モモが印象的だった
▼現役時代、韓国へ遠征に行くときに韓国の検査官が韓国語で星野に質問した。韓国語がわからない星野が、「何ですか」と開くと、「お前、韓国人のくせに韓国語がわからないのか」と怒鳴った。星野は怒った。「俺たちが日本にいてどれだけ苦労をしたのか、お前たちはわかっているのか」と。そのとたん、涙を流しながら
▼ある偉いさんが検査宮に、言葉に気をつけろ、と怒り「すいません」と検査宮は謝った。星野は再び怒った。「人にそういわれたからといって納得するとは何事だ。謝れ。それに、これから日本から来る俺のような立場の人間に、そういう余計な口をたたくな。それを俺の前で約束しろ」と
▼検査官は再び謝った。「悪かった。あなたたちの訪問を歓迎します。有意義な旅をお過ごしください」と
▼こんな熱い人間が総裁を務めるプロレスが、おもしろくないわけがない。星野総裁が作り出し、プロレス流行語大賞をもらったのが「ビッシビシ行くぞ」
▼熱い思いを、いつまでも心にも「ビッシビシ行く」運動をすすめたい。