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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2110号/03.03.10
 昨日も、友だちの母親が亡くなったという話を開いた。人が亡くなるということはつらい、まして母親ということになると、その思いはきつい
▼母親というのは、何でも許し甘えさせてくれる存在、という観念が私たちの間では強い。父親も、そうであっても、表現力がない、母親ほど、というのが大方の考え方だ
▼大阪の公立高校の卒業式は、二月の月末に終わった。そのとき、和服、チョゴリ、チャイナドレス、アオザイなど民族衣装でのぞんだ子どもたちがいた。それにたいして、大阪の府会議員が「どっかキャバレーきたんちゃうかな、そんなような卒業式もございました」と語った
▼もちろん、どんな民族衣装を着ようと自由だし、母親への甘えではない。むしろ母もしくは父への感謝をあらわすものとして、みずからのさまざまな出自のカミングアウトとして着ることが可能だ。そう理解する方が自然ではないのか
▼この大阪府議、「チャイナドレスのスリットが深かったことをキャバレーのようだ、というつもりだった」という。何という軽薄な概念だ、それは
▼問題は、カミングアウトとしての衣装を理解できないことだ。卒業式まで、それができない子がいたかもしれないのに、なぜ、そういうことに思いがいかないかだ
▼民族衣装を着る現場がキャバレーしか思いつかない府議。こうした問題の根っこには、とりくみの弱い、私たちの問題もある。

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