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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2122号/03.06.02
 有事法案をめぐって大変な事能に陥っている。新聞が読者の手に届いてからすぐにでも参議院で可決成立させられようとしているからだ
▼この法案の中身は、「有事」のさい米軍が自衛隊と共同行動をとるとき、動きやすいように国民を総動員するためのものだ。協力するかどうかは個人の内心の問題で強制しない、とされている。しかし、民間の会社や自治体で働くものが、協力を業務命令として出されたとき、拒否は罰則の対象となる。「日の丸・君が代」と同じ構造だ
▼有事法制反対の集会に参加したが、若者の参加が減っていた。イラク戦争反対のときにはあんなに多かったのに、と驚いた。テレビやメディアが連日報道するときは関心が高いが、有事法制などあまり報道されないからだろうか。関心が持続しない、私と他者とのイメージを消費するだけ、というのがいまの若者の姿だろうか
▼自分たちの生活水準を守りたいというのが生活保守主義だが、生活を守るためならいっさいは自分に関係ないとして、さまざまな選択を他者との想像力を欠いたかたちで、安易にしてしまう。自分たちの悪状況が外国人、敵国によるものだ、と宣伝されればそれにのる、という構図がもっとも怖いものだ
▼書店で会った若者たちはこれまで関係ないと思っていた政治がじつは大切なことがわかった、と語っていた。この話を聞いて、すこしは希望が残っているな、と感じた。

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