作家のジョージ・オーウェルが映画俳優を含む38人の「隠れ共産主義者リスト」を英国政府に提供していたと英国の新聞が伝えている
▼オーウェルは、『動物農場』『1984年』などの作品を書いた小説家であり評論家。それらの作品は、スターリン体制などを強烈に批判したもので、社会主義、共産主義そのものにたいする批判でないことは明白
▼リストを渡したのは、それを作成した女性への恋故、というのが英国紙の説明だ。納得、というところだが、腑に落ちないところがある
▼腑に落ちないといえば、国民に迎合するために、これまでも自衛隊の存在を現実にあるのだからと容認し、しかも今度は天皇制も現実にあるのだからとする綱領に改定する、という某政党のことだ
▼中央委員会をひらき、改定綱領を検討している。もっとも、この中央委員会、執行部にたいして批判的意見は出ず、この綱領で選挙はかてる、国民にわかりやすいなどと執行部案賛成の意見ばかり
▼天皇は国政に関する機能を有しない、と免罪する内容が改定案。法制定された「日の丸・君が代」にはふれもしていない。法制定されればすべてに従う、という姿勢ではないのか
▼迎合することより、唯一の前衛党論、指導と被指導の関係の固定化、組合運動・大衆運動の引き回し・介入・破壊、議論・決定のプロセスの不透明性などを反省することの方が、第一義ではないのか。