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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2133号/03.08.25
 真夏のお盆、米国の東部、カナダで5000万人に影響をおよぼす大停電があった。さいわい、数多くの死傷者や大きな混乱はなく、現在では平常に戻っている
▼カナダのオタワ、米国のニューヨーク、トロント、デトロイトなどでの大停電は、現代の都市のもろさと同時に、規制緩和による電力の自由化がどのような結果をもたらすのかを、かいま見せた
▼大停電の直接原因は、いまのところ不明。しかし、大都市を結ぶどこかの大型発電所の運転が突然止まり、そのためにおこる電力低下を補うため、ほかの発電所が一斉に出力をあげたため、通電庄が流れ、それを防ぐ安全装置が連鎖的に働いた結果、とされている
▼もちろん、なぜ、安全装置が連鎖的に働き、大停電にいたったのかの解明はまだだ。しかし、規制緩和、電力の自由化という名のもとの資本の営利主義がもたらしたものであることは、まちがいあるまい
▼米では1990年代に電力が自由化された結果、電力会社は発電部門と送電部門に分離された。新規参入の資本家にとっておいしいのは少ない資本投資でできる発電部門。当然、そこでは送電設備への投資などはコストがかかるからおこなわれない。場所は離れていても、安い発電が売れる
▼こうした要因が、大停電につながった。なんでも自由化し、競争させればよくなる、という信者が日本の閣僚にもいるが、それがどんな結果を招くかを示す一例だ。

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