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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2142号/03.10.27
 『新潮45』という雑誌をご存じだろうか。高山文彦さんが「松本治一郎伝」を連載している。この連載はじつに力をもっている▼連載のなかで出てくるのが、松本元委員長が戦前、初めて選挙に立候補したときの話。選挙の事務局長を当時、松本委員長のもとで働いていた北原泰作さんがしていた
▼この人は、部落差別撤廃を天皇に訴えた事件で有名だが、無政府主義、共産主義、のちには極右、戦後はまた日本共産党にと思想の振幅が大きいが、それは当時としては仕方なかったのかもしれない
▼そのことはともかく、選挙の最中に、お父さんが重体に陥った。周りから、とにかく帰って、死に目にあうようにすすめられ、博多から岐阜に帰った。父は、まだ意識があった。このときの父親の言葉がすごい
▼おまえにあって、もう思い残すことはない。おまえがいても、もう死ぬだけだ。そんな俺についていても仕方がない、早く博多に帰り選挙に専念せよ
▼自ら部落民だと名乗り、選挙に出たのは松本委員長が最初だった。だからこそ全国の部落民がこの選挙に注目し、勝利を願った。その意志が、北原泰作さんのお父さんにもあらわれていた。こうした部落民の思いを結集して実現したのが、松本委員長の当選だった
▼ここから部落問題が国会で話題にのぼったのだ。この解放の議席を、松本龍副委員長が守っている。今回の選挙でも、守りきることが全同盟員に問われている。

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