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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2159号/04.03.01

70's 寺山修司

寺山 修司 著 宮台 信司 解説  世界書院(定価1000円)

書籍画像 寺山修司を、はじめて真剣に読んだのは99年、入院中のときだった。このときは若き日の寺山が創作した俳句、短歌を読んだのだが、あまりの感覚の鋭さに驚いた。そして反省した。食わずぎらいはよくない。せっかく同時代を生きてきたのに、なぜ、もっと早く寺山のさまざまな作品、評論を読んでこなかったのだろうか、と。
 70年代は自分の生きた時代でない、もはやクラシッカルな時代で自分には関係ないという中年、青年たちがいる。この本は70年の寺山のインタビュー、対談や評論を集めたものである。一読してわかることは、70年代はけっしてクラシッカルではなく、大胆に現在に通用するダイナミズムをもっている、ということだ。また、気づかされるのは寺山の論はすぐれた思想として、いまの私たちをつかむ、ということだ。
 この本のよさは、冒頭に宮台真司の解説をつけていること。宮台のバックボーンも明らかになるし、寺山の考え方の一端もわかりやすく説明される。若い人に読んでほしい一冊だ。  (A)

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