秤にかけてはならない
日朝問題を考える座標軸
徐 京植 著 影書房(定価1800円)
「拉致の真実」を朝鮮民主主義人民共和国が認めた瞬間から、在日朝鮮人社会をおそった「闇」をわたしは忘れない。
悲しみが街並のあちらこちらから問いかけてくるのだ。自国の「国家犯罪」を受けとめる厳しさに晒される。ようやく顔をあげた私たちは12月にこの問題について集会とコンサートをひらく。集会パンフレットに求められたメッセージにこう記した。「すべての国家犯罪は歴史のなかで明らかにされなければならない。真相究明と被害者への補償」を追究したい。しかし、「拉致問題と日本の植民地支配の歴史が残している課題は、並べるものでも比べるものでも、どちらかがどちらかを凌駕するものでもない」と。ほとばしるように走らせた言葉だった。
その思いを明晰に論じた本がここにある。この本は在日政治犯徐兄弟の弟、徐京植さんの講演とインタビューで編集されている。日本が来りこえなければならない戦前から引きずる「国民国家」論を「北朝鮮」をスケープゴートにして「贖罪」としてはいけない。(汝)
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