デジタル・ヘル
サイバー化監視社会の闇
古川 利明 著 第三書館(定価2000円)
私には隠さなければならないやましいことはないので、個人情報を収集されても大丈夫。カードをもてば、いろいろ便利なことがある。
こんなことを考えている人にぜひ読んでほしいのがこの本。グローバリゼーションから日本国内の権力の暗闘と一人ひとりの生活・人生をつないで語りかけてくる。
本書の構成は、街頭監視カメラに始まり、電話やメールの盗聴、住基ネット、「個人情報保護法」の狙いと背景とつづき、これらが「サイバー情報ファシズム化」への道へと、その歩みをすすめていることを、具体例を示しながら、わかりやすく提示している。
同時に、「安全・安心」な社会をめざす社会が、マイノリティをこそ監視の対象とし、そのいきつく先は、人間の尊厳を放棄した社会であることを理解させてくれる。
人の一挙手一投足、人生のすべてをデジタル化する社会=デジタル・ヘル「サイバー情報社会」、そのとば口に、いま私たちが立たされていることをわかりやすく訴えている一冊。 (E)
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