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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2181号/04.08.09

有事体制論
派兵国家を超えて

纐纈 厚 著  インパクト出版会(定価2000円)

書籍画像 4月下旬の参議院決算委員会で、自衛隊のイラク派兵に公然と反対する者は「反日分子」だという言葉が飛び出した。いま、自衛隊は、憲法の前文を引用して堂どうと米英のイラク侵略戦争に参戦している。
 この国が名実ともに軍事国家・社会へと変容してしまったことは、もはや隠しようもない事実だ。戦後50数年間、平和国家・社会の創造を目標としてきたはずであったが。
 著者は「一体、あれだけの侵略戦争と敗戦体験を通過しながらも、また形を変えた軍事主義が表出し、構造化しようとする原因は何か、一人の歴史研究家として、また反戦・平和にとりくんできた者として考えてみたかった」と問う。それは同時に「平和というものは一体何によってもたらされるのか」「戦後の日本人はなぜ、憲法に謳われた平和の思想を獲得することに失敗してしまったのか」をも検証、論考することでもある。
 憲法改悪の動きが強まっている。これら軍事国家・派兵国家を超える論理と行動のための必読書である。  (MT)

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