土曜、日曜の新幹線は満員だった。気の毒なのは当日に切符を求める人たち。５～６時間後でも空き席はほとんどない
▼車内は家族連れでいっぱい。春休みに入ったからだ。やはり京都で降りる人が多い。上野の桜は八分咲き。京都もそろそろだろう。もちろん、東京で降りる人も多い
▼東京では、大型複合施設の六本木ヒルズが開業から１年以上たったが、いまだに人気が高い。観光用の本を片手に訪れる姿を、よく見かける
▼立派なホテルに行くと正面にあるのが回転ドア。小心者の私などは、必ず、横にあるふつうのドアからはいる。狭いところに閉じこめられるのがいやで、挟まれたら怖いからだ
▼六本木ヒルズでは開業以来、回転ドアで足、体、頭を挟まれる事故が32件も続発していた。いずれも被害を受けたのは子どもたちだ
▼にもかかわらず、抜本的な改善もなく、６歳の子どもが頭を挟まれ死亡する事故を起こしてしまった
▼10日に１回も事故を起こしながら回転ドアを使いつづけたのは、見栄えの問題と回転ドアのもつメリット、空調の効率の良さ、という営利優先の論理に縛られつづけたからではないのか
▼この間の警察の調べでわかったのは、異常があるときにドアの回転を止めるセンサーの設定を80センチから120センチに変えていたことだ
▼120センチ以内の身長の人びとを安全から切り捨てるという人権無視の論理がここにもみて取れる。