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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2169号/04.05.17
 野坂浩賢さんが亡くなった。野坂さんは、社会党が政権をとり、村山内閣のときに官房長官として政権を支えた。村山内閣は、官僚の強い抵抗があったとはいえ、それまでの自民党内閣ができなかった改革を重ねた
▼野坂さんは部落解放運動とも深く関わり、この時代に「人権擁護施策推進法」制定への道筋を作った
▼この野坂さんが政界を引退するときにパーティーがひらかれた。そこであいさつしたのが厚相を経験した菅さんだった。その直後にあいさつしたのは小泉・現首相だった。小泉首相は、私はいつもこの人のあとなんですよ、と人気の面で菅さんがトップに立っていることを認めていた
▼この関係が、短い歳月のあと逆転した。ありえなかった小泉首相が誕生し、ポピュリズム的手法で大いに人気を博しているのが現状だ
▼その懐刀で、小泉政権を支えてきた福田官房長官は年金問題で「風のごとく来たりて風のごとく去る」とうまくたちまわり、政権奪取をねらう民主党の菅代表の首を取った。年金未加入問題で急先鋒にたった菅さんが、自分が攻めたのと同じ手法で切り返された
▼小泉首相がいう改革とは、アメリカによるアメリカンのための改革であることが明確になった。これをごまかす小泉首相の頼みの綱は「世論」だけなのだ。これにどう迎合するのかだけが課題なのだ
▼風を、流れを大きく変えよう。人権を旗印に、新たな風を、いま。

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