景気はよくなっているのかどうか。昨年度の高額納税者が公表された。健康、美容、パチンコ関係者などが名を連ねる。これらは、景気と業績は関係ないといわれている
▼株や不動産関係の長者は影を潜めてきた。かわって、５億円以上の納税者が昨年に比して倍増した。景気の行方に薄明かりか、とは商業新聞の評価だ
▼しかし、銀行に目を転じてみるとUFJ銀行は1000億円の赤字となり、社長らの辞任は確定だという。「不良債権」残高が問題だという
▼株価の動きを見ると、上がったり下がったりしながらも、海外からの投資家の動きが目立つ。なぜ、海外からなのか。それは、アメリカの国際金融市場にうまみがないから。では、なぜうまみがないのか
▼じつは、アメリカのドル安傾向に歯止めをかけることを支えているのが、日本の現在の政策。ドルが安くなると積極的に買い支え、入手したドルでアメリカの国債を買う。だから、アメリカ国債市場の金利は下がりうまみがなくなる。一その金が株式市場に回り、アメリカのバブル株式市場を支える
▼その余勢をかって、日本企業乗っ取りなどをねらった動きも本格化しつつある。最近は製薬会社がねらわれている。開発機関ももたないアメリカの製薬会社を何とかするためだ
▼アメリカンスタンダードにどっぷりとつかることは、じつはみずからの首を絞めることであることを知ることが、今必要だ。