状況証拠から真実を類推できることのたとえを、米国では「アヒルのように歩き、アヒルのようにガアガア鳴けば、それはアヒルだ」と表現するという。たとえば、イラクを攻撃するときも、この論法が使われた
▼小泉首相が朝鮮民主主義人民共和国を再度訪問した。選挙向けのパフォーマンスがみえみえだが、アヒルの論法ではなく、おたがいが胸襟を開き話し合いをすることが国交正常化への第一歩となる。そうした前進を期待したい
▼有事関連7法案が徹底した論議もないまま衆議院を通過し、今国会で成立するという。これなどアヒルの論理の積み重ねの上に成り立っている。もしどこかの国が攻めてきたら、と。現実には、アメリカの利害にかなう戦争に日本も全面的に手を貸すものにほかならない
▼裁判員法も成立した。国民の裁判参加という理念はいいが、問題は山積している。たとえぼ、裁判に提出される調書。実際の取り調べ状況を録音・録画すればいいのだ。そうすれば、暴力や威圧、誘導などをともなったものかどうかもはっきりする
▼証拠も最初から全面開示すべきだ。でないと完全にアンフェアな状況下でしか審理ができない
▼アヒルの論理で人を裁く傾向が昨今の裁判では多すぎる。検察が証拠を通じて合理的に有罪を実証するのが刑事裁判の大前提。しかし、そうなっていない。これをどう裁判員が乗り越えていくのかということも、大きな課題だ。
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