景気が上向きと、という誇張気味の宣伝がされて久しい。デジタル家電の売れゆきが好調、というのが理由だという。しかし、デジタル商品、パソコンなどの売れ行きによる波及効果は少ない、というのが業界の常識
▼デジタル家電の何が売れているのか。薄型テレビ、DVDレコーダー、デジカメ、ケータイがおもなもの。昨年のGDPを0.16%押し上げたという
▼なるほど、これらはいま売れ筋のもの、若者に人気がある。しかし、購買層の多数はお金に余裕のある中高年層。若い頃には余裕がなくて買えなかったが、いまなら買える、というわけか
▼経済を牽引するのが中高年層なら、この国の自殺者の多数を占めるのも、この層だ。昨年の自殺者数は、統計を取りだしてから最高の3万4427人に達した。2284人増。うち半数以上が30、40代での自殺者の増加だ
▼もっとも働き盛り、社会の中心を担い始める年齢だ。自殺の原因は、負債や生活苦も多くを占めるが、最多は健康問題の44.8%。健康がすぐれず、そのことが生活苦に直結し自死を選ぶ、選ばざるを得ないという、この社会が抱える問題が浮かびあがる
▼一体、健康状態が良くなければ会社を首になり、負債を抱えれば倒産しかない、誰にも相談できない、という社会を誰がつくってきたのか
▼「死にたくて死ぬ人はいない」のだとは相談にのるボランティアの声。たしかにそうだ。
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