11月から新紙幣が発行される。注目は5000円札の樋口一葉。実在する女性として初めて紙幣に登場した。時代の変化を体で感じる人も多いだろう
▼ジェンダーという言葉が流通したのが1980年代。人は外性器により性別を決められる。これがセックス(生物学的な性差)。それにたいし色・言葉・服装・仕事・生き方など、男女に振り分けられる性役割は、あたかも生得的なものと思わせる。こうした社会的・文化的につくられた性差をジェンダーとよぶ
▼たとえば、教育課程での男女別名簿は男女差を強調し、男を先に置くことで男子優先との考え方を教え込む。世界的には男女混合名簿が当然で、人権教育上も必要なことだ
▼ところが東京の教育委員会は、「ジェンダーフリー」という言葉が「使用する人により様々であり、誤解や混乱が生じて」おり、「男らしさ」や「女らしさ」をすべて否定するような誤った考え方だとして、「ジェンダーフリー」にもとづく男女混合名簿を作成することがあってはならない、とする通達を出した
▼男女同室での着替えや合宿をおこなう学校も出てきた、などと意図的にデマを流し、「誤解や混乱」を与えているのは、むしろ都教委の方なのだ。都教委のいう「男らしさ・女らしさ」とは何かをこそ明らかにすべきである
▼そして、これに従うかどうかを「日の丸・君が代」強制についで、踏み絵にする行為も中止すべきだ。
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