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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2215号/05.04.18

憲法と天皇制

横田 耕一 著  岩波新書(定価780円)

書籍画像 本書の中ほど、故・松本治一郎委員長の「カニの横ばい拒否事件」が光る。著書の意志を、松本委員長の実践に託し、訴えるかのようだ。「人間が人間をおがむようなばかなことはできんよ」「貴族あれば賤民あり」。第2回通常国会、行為のともなわぬ言葉だけの日本の民主化、天皇制の呪縛・差別意識から解放されぬ民衆の姿を、松本委員長は行動で告発した。
 1945年、敗戦し、唯一最高の統治者、天皇を頂点とする国家体制は根本的に動揺する。「国体護持」に奔走する為政者、天皇の戦争責任の追及どころか「土下座して奉拝」する民衆のなか、諸先輩は果敢に闘い、47年5月3日、日本国憲法が施行。しかし、「象徴」の天皇は入ってしまい、天皇の権威強化を許さず、天皇制廃止を求める闘いがつづいている。
 「戦後すぐの『カニの横ばい事件』の松本のような行為を、まだまだ多くの日本人は、現在もとることができない」公然と国権主義勢力が台頭してきたいま、状況の打破は待ったなしだ。  (K・S)

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