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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2211号/05.03.21
 太平洋戦争末期、特高による検挙者数が上昇してくる。民衆間に疑心暗鬼が生じ少しでも敵(連合国側)を利するような言動や味方を混乱に陥れるようなことへ、特高への告発がおこなわれた。記録をみると、実にくだらないことを口実に民衆間でチクリがおこなわれ、多くの人びとが弾圧されてきたことか
▼権力者のなかにいくと、もっとすさまじいものがあった。ちょっとの違いで、自分の意に即さない人物がいると、たちまちアカや自由主義者とのレッテルを張る。そして排外し弾圧を加える。こんなことがまかりとおっていた
▼こんな戦争末期の権力者と同じような発想にたった人が、いまも存在する。いわく「左翼人権派の法務官僚」の暗躍で、人を差別的に見下したり、排外することができなくなる、とこの人はわめきちらしている。なんのことはない、あのきわめて不十分な「人権擁護法案」にたいしてだ
▼この人、人権擁護委員の任命に国籍条項がない、ということも批判の対象にしている。日本のなかをよくみると、さまざまな国からきた人がいる。だからこそ人権擁護委員も多様性をもてばいいのではないか。そんなことまで批判するとは
▼この人の本音は、反差別・人権などといわれたら、オレたちのやっている方向とまったく逆、侮蔑や排外ができなくなる、ということ。こんな人、歴史の流れ、国際的流れにたいしての反動とよばれても当然だろう。

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