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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2222号/05.06.13
 靖国神社への参拝をやめない小泉首相。衆議院の予算委員会でとうとうみんなを怒らせる発言をした。「どのような追悼の仕方がいいかは他の国が干渉すべきでない」といい、A級戦犯の合祀問題で、「罪を憎んで人を憎まず」とは中国の孔子の言葉だ、と語った
▼孔子の研究者が怒った。こんな言葉はないと。探してみると、孔子の9代目にあたる孔鮒(こうふ)が残したものに「孔子がいわれた、昔の訴えを裁いた人は、その罪を犯した心は憎んだが、犯人その人を憎まなかった」というものがある。「罪を憎んで人を憎まず」とはほど遠い
▼金大中・韓国前大統領も怒った。4年前に「誰もがわだかまりなく参拝できる新たな施設を検討する」と約束したではないか、と
▼日本から侵略された国が怒った。「罪を憎んで人を憎まず」とは、被害にあった立場の人がいうことだ。小泉首相のいい方はまったくの逆転だ
▼靖国関係者も怒った。東条英機などはA級戦犯ではない、連合国にそうされただけ、日本国のために尽くされた人として合祀している、というのが靖国神社側の立場。それをも逸脱していると
▼靖国神社そのものが天皇の国のために戦死した人間を祀る戦争遂行のためのマシーンであることは明らか。首相の参拝が政教分離を謳う憲法違反であることも明らか。こんな首相をもつ国は不幸。が、その源泉は、こんな首相を選ぶ人を選ぶ私たちなのだ。

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