1960、70年代に日本経済は急激な高度化をとげた。そこから生み出されたのは、1億総中流化現象だった。自分は貧困層ではなく中流だ。生活もまあまあ豊か、上流ではないにしても十分に食っていける、という感覚だった
▼これが意識の面でも生活保守主義を生み出し、自民党政治を支える大きな側面となってきた。たしかに、この時代は生活の日日の向上を実感できた。年に1回だったすき焼きを、月に1回は食べることができるようになった
▼ところが1980年代あたりから、階層間の格差が拡大し、階層の固定化が喧伝され始めた。では現在はどうなのだろうか
▼貧困率という考え方がある。国民の何%の人たちが貧困者であるかを明らかにする指標で、全国民の平均的所得の50%以下の所得しか稼いでいない家計が貧困者とみなされる
▼この指標でいうと日本は15.3%。最高がメキシコの20.3%。ついでアメリカ、トルコ、アイスランドとつづき、5位が日本。先進国中では3位なのだ。10年ほど前は8%台だったから、ほぼ倍増したことになる。60万世帯から現在では100万世帯をこえでいる
▼長引く不況、非正規労働者の増加などが大きな原因。しかし現実の小泉流改革が、ますます持てる者と持たざる者の格差を拡大しているのは、松本龍副委員長の指摘どおり
▼こんな小泉政権を倒す最大のチャンス到来だ。がんばり抜こう。
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