この時代に異議あり
鎌田 慧 著 ポプラ社(定価1300円)
『狭山事件―石川一雄、四十一年目の真実』を著した鎌田慧さんが、自分史を織りまぜながら、一人ひとりに今の生き方を考えさせるエッセイ集をだした。
「わが街、わが友」「わが日、わが旅」「戦争の時代を迎えて」「書くことの責任」「子どもたちの未来」の5章で構成され、石川一雄さんや部落解放文学賞にも及ぶ。
「終戦の詔勅」を両親がドーム型のラジオの前に両膝を折って正座して聞いていた光景をまざまざと覚えている、という鎌田さんは、「少国民」に社会が強制していた「お国のために」が、けっして過去のものではなくなり、そのための社会装置もほぼできあがりつつあ
ることを暮らしのなかから明らかにする。
一瞬、「玉音放送」を聞いた国民学校の生徒に、何を考えたかを書かせた作文集を編集した本『神国日本は敗けました』が思い浮かんだ。
鎌田さんは、「平和を訴え、戦争をふせぐのがジャーナリズムの第一義」「人権、環境、子どもの未来を戦争は踏みつぶす」と書く。 (E)
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