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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2257号/06.02.20

DVサバイバー
二次被害ともたたかって

北村 明子 著  解放出版社(定価1200円)

書籍画像 たいていの人は、相手を傷つけたいと思って言葉を選んだりしない。とくにドメスティック・バイオレンス(DV)、セクハラ、児童虐待などの被害者と接するさい、自分も加害者になろうという人はいないだろう。しかし、2次被害という現実が被害者を苦しめているのも事実として知られるようになってきた。
 DVを例に、2次被害の実態を書いたのが本書。被害者を傷つけた「加害者」として、警察や役所、裁判所、シェルター、母子寮など、「この人なら救ってくれる」はずの相手があげられている。そして彼/彼女らの「何気ない一言」に、どれだけ「加害の意識」がないが、被害者を傷つけているのか。本書はそこに焦点をあて、2次被害を生むのはDVへの認識不足だと訴える。
 親身になっている人びとがいるからこそ制度ができ、施設も増えてきたが、職員全員が完壁に対応することはむずかしいだろう。被害者にとって毎日が生死の境であることを忘れてはならない。「何気ない言葉」の重みを訴える一冊だ。(亀)

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