pagetop
部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2268号/06.05.15

壊れる男たち
―セクハラはなぜ繰り返されるのか―

金子 雅臣 著  岩波新書(定価740円)

書籍画像 セクハラという言葉が認知されて久しい。にもかかわらず、裁判件数・相談件数は激増傾向だ。被害者が声をあげはじめたから、だけではない。「男たちは壊れはじめているのではないか」、著者の見解だ。
 著者は長年、東京都の労働相談窓口で、セクハラ被害者の相談を受けてきた。そこで出会った加害者には、なぜ非難されているのか理解できない=加害の自覚がない男性が多くいたという。
 そこで、被害者と加害者の言い分をとおして、なぜ男たちはセクハラを繰り返すのか、なぜ無自覚でいられるのかを考えたのが本書。女性問題とよばれる多くの問題は、原因を考えると大半が男性がかかわった「男性問題」であるとして、男性が正面から向きあうことをよびかける。
 「男は男であるがゆえにセクハラ加害者となるという偏見に、「男性であってもセクハラを嫌悪する立場をとる者がいる以上、男全般の問題としてその責任を引き受けることには抵抗を感じ」るという著者。もっともな意見だと思った。(亀)

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)